ゴルフクラブ開発|篠原 貴洸

目指すのは「スコアの助けになるゴルフクラブ」開発

 大学での金属材料の研究が活かされる職場、それが僕にとってのゴルフクラブ開発です。2021年3月に発売された「オノフレディ」のアイアンは、入社2年目から3年目にかけて私が開発を担当しました。重心の位置を意識しボールの反発が良い材料を選ぶことでボールが上がりやすく、軽量化によって振りやすいクラブにできたと自負しています。

 フィッシングロッドで培ったカーボン技術のノウハウを活かしたグローブライドのシャフトの評価は高く、この技術に触れながら開発できるのも1つのやりがいです。

 この開発の経験をもって、2021年4月からはグローブライド(オノフ)契約プロである浅地洋佑選手のツアーに帯同し、ゴルフクラブの調整を行うプロ販促係として活動しています。試合前の3日間、練習ラウンドをともにまわり「もっと飛ぶようにしたい」「低く出したい」などの要望をもとにヘッドやフェースの角度調整をおこないゴルフクラブを組み立てるのが現在の仕事です。

 開発とプロ販促の仕事はまったく違うと思われるかもしれません。ですが、私がプロの試合を間近で見て感じているのは「モノづくりのアイデアの宝庫」だということ。一般の誰よりも数多くゴルフクラブに触れている選手からの新たに見えてくる様々な角度からの要望は、開発者に気づきを与えてくれます。

 契約プロに帯同し得た情報を開発者にフィードバックすることで、「スコアの助けになるゴルフクラブ」開発につなげたいですね。